自治会制度改革
・自治会が抱えている課題
・これから起こる事
・公平で持続可能な制度設計
・自治会が抱えている課題
・これから起こる事
・公平で持続可能な制度設計
自治会加入率の推移
まず下記のグラフをご覧頂きたいのですが、見て分かる通り自治会加入率は下がってきています。上田市は平成期には90%以上を保ち全国自治体の中でも高い加入率を誇っていたのですが、令和に入り社会動態の変化やコロナショックがあり、世帯数は増えているのに加入者世帯は純減傾向にあります。
遡って調べた所、平成28年度の加入率が91%でしたのでたった10年ほどで約10%急落しており、これは単なる一過性のトレンドではなく、自治会制度自体に構造的な問題が起きていると感じ、個人的に調査を開始しました。2024年の暮れの事です。
加入率減少の要因
「世帯数が増えているのに加入者数が増えない」という部分では、やはり移住者が自治会制度を忌避しているのが大きいかと思います。
「*****」
加入世帯の減少については当然人口減の影響もありますが、もう一点注目すべきなのは今がちょうど自治会館の建て替えのタイミングに当たる自治会が多く、ここの財政負担が大きいため自治会から脱退されたという方のお話も伺いました。
加入者・非加入者が混在する為に起こる問題
最近自治会で起こった問題がニュースで取り上げられる事が増えてきており、一例を上げると「自治会で管理しているゴミステーションを自治会非加入者が使っている、あるいは使わせない事で非加入者が窮状を訴えている」など、加入者と非加入者が対立しているケースが取り上げられています。
加入者から見ると「非加入者がタダ乗りしている」と感じるのは当然ですし、非加入者から見ると「住民税を払っているのにゴミを捨てられない」という事ですから問題は深刻です。加入率が下がってくるとこの対立は更に増えていってしまう事が予想されます。
本来自治会は任意団体なので加入も任意ではあるのですが、行政の一端を担っている為に実態として「加入は任意」という前提が崩れてしまっています。これ以外にも例えば消防団への支援金や街灯設置・電気代は自治会が負担しており、本来『住民』が支払うべき支出を『自治会員』のみが負担している、という不公平な状況にあります。
ヒアリングしてみると自治会非加入者もこの『住民負担分』を支払いたくないから自治会に入らない訳ではなく、行事予算や労役負担の方を問題視されており、『住民負担分』だけ払う方法があればそうしたいという声が多くある事を知りました。
しかし全ての自治会でこうした特例を作って運用するのはなかなか難しく、集金の手間も増える事からこのような制度を採用している自治会は無いようです。
公平で持続可能な制度設計
この問題を解決するにはどうしたら良いか、行政の仕組みの勉強から始まって自治条例の検証委員までやって、自治会幹部経験者、非加入者、移住者、税理士さんに弁護士さんと多くの方から助言頂いたりして考え抜いた方法案が『住民が負担すべき部分を行政が住民税として徴収し、自治会が肩代わりしていた業務を行政に戻す』というアイデア。
これによって非加入者への徴収の問題を解決し、同時に行政の責任の元でゴミ収集のサービスを行う事で「非加入者イジメ」みたいな悪習を根絶させる事ができると考えています。
「自治会に入らなくても不便がない」というのは移住者に向けて大きなアピールになりますし、自治会側もタダ乗りされてしまう状況を恒久的に解決できます。
今まで実現が難しかったのは行政側が「自治会は任意団体だから」と言って干渉を避けていて(そのくせ仕事はいろいろ押し付けていて)、この問題を見てみないふりをしていた(加入率が高かった間は起きてなかったのかもしれません)というある種の怠慢と、自治会側も自己裁量でいろいろ進めたかったので行政の干渉を嫌っていたという側面もあります。
また制度的に自治体が「住民税を上げます」っていう話が通りにくい(議会の反対に合うのが目に見えている)から、あまり検討もされて来なかったのだと推察します。
制度実現に向けた方策
勿論住民税を上げるというのは簡単な問題ではありません。そこで公約にも掲げた「住民投票」っていうのが出てくる訳です。
この問題をクリアするため『住民投票によって』条例の検討を発議するという手順を取る事によって、「住民側が住民税アップを希望している」という本来ありえない状況を作り出し、その代わりに行政側は本来行政が果たすべき責任を果たすという約束を取り付ける、というシナリオを考えました。
住民投票の実施にはまず3000筆の署名を集める必要があり、これ自体も簡単ではありませんが、今なら住民投票まで漕ぎ着ければ賛成多数で通せると見ています。これが数年先、自治会加入率が落ちてからでは手遅れになってしまうと考えて今ちょっと無理をして動いています。
何故かと言えば非加入者の比率が増えてくると加入者負担が更に重くなり、脱退者が出てくるとその流れが加速してしまうからです。「入り損」というやつです。そうなると自治会制度の破綻まで一直線です。
動機
結局のところ私は自治会制度自体を守りたいのです。これは地誌を愛する者としてのワガママかもしれませんが、ほとんどの自治会は昔それぞれの村だったのです。その歴史を途絶えさせないためにも自治会という枠組みは欠かせないものです。
ただ、今はその制度が現状にあっておらず、組織が肥大化していたり健全な運用とは言えない状態にあったりと問題を抱えています。これを一旦「リセット」し、戦後しばらく自警団として位置づけられていた頃の様に防災・防犯を第一義とする組織に戻っても良いのではと思っています。
同時に自治会として必要最低限な仕事とは何かを見極め、更にそこにかかる労力を圧縮する事で「自治会って面倒」なイメージを変えて行く方向の努力もしたいと思います。
幸いデジタルには強い仕事をしていますので、例えば個別訪問での集金や寄付金の問題については技術的なサポートができると考えています。
市議選出馬との関係
自治会問題を調査する中で多くの人からご意見を頂きました。いろんな立場があり、目指すものが違う方もいらっしゃるかと思いますが、「今のまま放置していてはダメ」という所では皆一致していました。
少し議会の所でも触れましたが市議会議員の立ち位置的にこの問題を取り上げるのは難しい面もある様です。市議選候補の名簿を思い出して欲しいのですが、そこに何故か「所属自治会」っていう欄があるんです。
要はその自治会が後ろ盾になっていたりするんですよね。なので自治会に関してはちょっとタブーというか、正面切ってこの問題に取り組んでる方はいませんでした。(何なら私も止められたくらいです)
今回市議選に出馬したのはこういう事情があったからで、今の市議さん達を責めるつもりは全くありません。ただ「政党票や自治会票をあてにせず改革を掲げられる議員」になる為で何か変えられるんじゃないか?と思ってるだけです。